縁起弁当「銭函」

   

その昔、鮭や鰊が豊漁で、鮭を箱詰めすると千両も獲れたので「ゼニバコ」と言われたとか、開拓の人に支払う賃金の金庫を「銭函」と言い、それがこの地にあったからとか、まあいろいろな言い伝えはありますが、北海道小樽市にある「銭函駅」は、その響きから「縁起が良い」と言われ、金運祈願や商売繁盛を願って記念入場券を求める人が絶えませんでした。

   

今回、JR北海道発足20周年記念企画として、「北海道新・駅弁コンテスト2007」が春・夏・秋と開かれてきましたが、その最後の「冬」コンテストにおいて、入賞を果たしたのがこの駅弁です。820円。期間限定ですので、欲しい方はお早めにお買い求め下さい。

   

2007年12月22日、予約して札幌駅西口のキヨスクで購入した「縁起弁当 銭函」。調製元は「ふか河」、監修が「北海道キヨスク」と表示されています。札幌駅の他、銭函駅、小樽駅、手稲駅でも売られているそうです。

   

お品書きには次のように書かれています。

1.お宝寿司
北海道産の玉子シートに、宝(石狩産いくら)をのせて、大事に包みました。玉子はその色が金に例えられます。

2.数の子寿司
数の子は子孫繁栄の縁起物として使われる食材です。

3.しゃこのよろこんぶ巻き
銭函近郊の張碓産しゃこを、とろろ昆布で巻いたお寿司です。

4.紅白寿司
紅はめでたさと喜びを表し、白は神聖を示す縁起色です。紅のお寿司は石狩産秋鮭を使用し、白のお寿司は日本海で獲れた鱈を昆布で〆ました。

5.海老(塩茹で)
海老は長いひげをはやし、腰が曲がるまで長生きすることを願う縁起物の食材です。

   

6.黒豆
豆は丈夫、健康を意味する言葉のため、縁起物食材として使われます。

7.鰊甘露煮
その昔、日本海は鰊が豊富に獲れたことに由来し、お弁当に入れました。

8.栗金とん
黄金色に輝く財宝に例えて、豊かな1年であるようにという願いが込められています。

9.喜こんぶの酢の物
「喜ぶ」の言葉にかけている、縁起物の食材です。

   

内容を見ていくと、ほぼ新年お正月に食べる「おせち料理」と言うことができますね。皆さんが召し上がる「おせち料理」の意味を再確認された方もいらっしゃるでしょう。

   

この「縁起弁当 銭函」、縁起がいい食材は、「活き」の良さも抜群でした。
数の子寿司の数の子は最近よく見られるような密度の薄いふにゃふにゃなものではなく、しっかりと詰まった粒で、噛むとコリコリキュッキュッと音がするものでした。それはイクラに関しても言えました。
また、しゃこの身はとてもふっくらと厚みがあって、かつ弾力がしっかりとあり、新鮮さが伝わってきました。さらに、紅白寿司のネタはまろやかな口当たりとシャリへの馴染み方が絶妙でした。とにかく、回転でない、寿司屋レベルのネタだと思います。

駅弁の寿司でここまで食わせるというのは今まで記憶にありません。しかも、820円という価格はどう考えてもお買い得。これなら本当にご利益ありそうな予感がしてきました。

   

今回の「北海道新・駅弁コンテスト」では、次代を予感させる、創意工夫あふれる駅弁がたくさん出品されました。ぜひこの駅弁「縁起弁当 銭函」にあやかって、北海道だけでなく日本全体が元気を取り戻し、また、皆さま一人ひとりにもご多幸が訪れますよう、心よりお祈り申し上げます。


 今年も「駅弁の小窓」を宜しくお願いいたしますm(_ _)m。


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