肥薩線おにぎり駅弁紀行 〜その3・終〜

2009年10月10日〜12日の2泊3日で九州を旅しました。10月11日、全通100周年を迎えた肥薩線に乗ろうと、特急「はやとの風」、「しんぺい」を乗り継ぎ、人吉駅まで北上してまいりました。人吉の駅弁で「おにぎり」と言えば「山麓おむすび」があまりにも有名ですが、今回の主役だけは特別なこの駅弁に譲らせてください。

   

2009年10月11日、上り「SL人吉」の車内で事前に予約して購入した車内限定「おごっつぉ弁当」500円。調製は熊本のニシコーです。ニシコーは日曜日が本社休業日のため、電話しても繋がりませんでした。そこで当日の午前中、JR九州を通じて事前に客室乗務員に連絡をとっていただき、取り置きをしてもらいました。しかし、実際には上り(復路)用も若干残してあるらしく、出発時には一般売り用として2個が2号車ビュッフェに並んでいたので、予約しなくても買えたのでした。まあ、でも、予約は確実ですのでオススメです。

   

今回の旅では「SL人吉」の指定券が満席で取れず、半ば諦め掛けていた前日、宮崎空港駅で奇跡的にわずか1席の空席(通路側)が出るというラッキーがありました。しかも、人吉からボックスに同席した地元の子連れ客は2つ目の停車駅である「一勝地」駅で降りてしまったため、そこから先の1時間は、まさに天国のような至福のひとときとなったのでした。

   

この車内弁当は2009年6月7日、はやしさんも熊本発下り「SL人吉」乗車時に購入されています。ご紹介しましょう。

   

「おごっつぉ弁当セット」650円というのがあり、みそ汁付きのものを購入されたようです。

   

「SL人吉」とその2号車にあるブュッフェの様子。

    

ブュッフェのメニューです。はやしさんは「おいもパイセット」をいただいたようです。

    

さて、2009年10月11日に話を戻し、おにぎりの内容ですが、SL復活祝賀ムードの白飯と赤飯、つまりは紅白おにぎりです。個人的にはニシコーお得意の赤鶏おにぎりが入って欲しかったのですけれども。。。しかし、この赤飯、実は掛け紙にも描かれた国宝青井阿蘇神社で「おくんち祭り」の際に、昔から食べられてきた伝統的なものなのだそうです。ちゃんと赤飯である理由があったんですね。

   

次に、おかずの部分です。お米も含めてほとんどが人吉産にこだわっているそうです。たった1つ、塩だけは天草産とか。。。あっ、鯖もですね。。。その鯖の立田揚げ、人参・ごぼう・椎茸・こんにゃくの煮しめ、ネギが入った玉子焼き、たくあん漬物が入っており、500円なら価格相応といった感じでした。

   

球磨川の流れは速いことで有名ですが、下流に来るに従ってゆったりと流れているように見えました。そういう風景を見ながら、自分しかいないボックス席に足を投げ出して、まったりと過ごす。。。これが一人旅の醍醐味です。列車は汽笛をこだまさせながら球磨川沿いに走り、時おりトンネルに入ると石炭の懐かしい香りをたなびかせ、それがおにぎりの味を際だたせるスパイスになってくれています。

    

今回この旅で紹介した3つのおにぎり駅弁は、昭和以前の懐かしい日本のローカル旅を演出する重要な役割を果たしているように思えました。欲を言えば、3つがもう少しはっきりと独自性を出して、重複する部分がないようにすると、もっと良かったかもしれません。しかしながら、SLで1時間近く球磨川沿いを走ったり、観光列車でのループ走行ありスイッチバックあり、鉄道の旅三大車窓の1つあり、観光特急での古風な駅舎見学あり。。。つまり、風景だけでなく、列車や駅自体が観光資源であるこの肥薩線は、日本でも有数の魅力ある路線だと改めて実感しました。

   

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