東北ドラ駅弁の旅 〜その1〜

2009年5月9日〜10日にかけて、土日きっぷ使用による東北、越後への駅弁旅をしました。古川駅で割引キャンペーン中(1日2000円)の駅レンタカーを借り、ETC割引で格安の東北自動車道を利用して、車で気仙沼入りをしました。一ノ関から気仙沼に向かう大船渡線はそのくねくねした路線の形から「ドラゴンレール」と呼ばれています。

      

左上は東北道水沢インターから国道343号線を東進して途中から南下した県道より見た室根(むろね)山。右上は国道284号線に合流した後の折壁〜新月(にいつき)を走る大船渡線。水沢から気仙沼までは約1時間半の道のりでした。下は気仙沼駅キヨスクの様子。12時過ぎにすべての駅弁が売り切れていましたが、私は予約していたので大丈夫。前回は2007年5月に訪れていますので、2年ぶりの訪問となりました。

      

さて、今回はまさに「安くておいしい」絶品の駅弁に出会いました。下は2009年5月9日、気仙沼駅で購入した「黄金龍のハモニカ飯」500円。この駅弁は2008年7月22日に気仙沼駅キヨスクに気仙沼観光コンベンション協会御弁当サプライヤー委員会から満を持して登場した「黄金龍(こがねりゅう)の海めし」1200円、「黄金龍のハモニカめし」580円、「黄金龍のさんまめし」500円の3種のうちの1つです。このうち「黄金龍のハモニカめし」は2009年5月現在580円に値上がりしています。

     

気仙沼駅は2009年7月31日に開業80周年を迎えるようです。ちなみに私の誕生日は開業31年目のその日ですので、親しみが湧く駅です。さて、「ハモニカ」とはカジキマグロの背びれの付け根にある上質なトロ肉のこと。ハモニカを食す時には骨付きのことが多いようですが、この駅弁はどうでしょうか。せっかく車で来ましたので、気仙沼港に行きました。

     

潮の香りがたまりません。漁船がひしめくように停泊しています。さすが全国でも有数の漁港。この駅弁は背びれの下骨から刮ぎ取ったようで、骨付きではありませんが、骨は混じっているようです。注意を喚起するシールが貼られていました。

     

シンプルイズベスト。トロうまとはこのことですね。いかにもコラーゲンたっぷりという感じで、甘辛く煮たカジキのトロトロ肉が海苔、錦糸玉子が敷かれたご飯の上にたくさん載っています。これで580円なら、お買い得でなくして何と表現しましょうか。

     

駅弁の名の一部になっている「黄金龍」について掛け紙の説明書きによると、気仙沼市のシンボル安波山(あんばさん)の姿は、龍が水(海の幸)を求めて舞い降りてきたかのように見えるので、その謂われになっていると言うことです。「黄金龍」は天帝の使者。なお、下の画像で、シャーク(鮫)と一緒に撮っても意味ありませんが、あくまでもイメージということでお許しください。

     

使用しているメカジキはもちろん気仙沼港で水揚げされ、厳選されたもの。久しぶりに自信を持ってオススメできる駅弁に出会い、とても満足です。調製は「菅運スーパーじゃんボ」、販売者は「いこま」です。

     

続いて骨付きハモニカの駅弁を。下は2009年5月9日、気仙沼駅で購入した「黄金龍の海めし」1200円。調製は同じく「菅運スーパーじゃんボ」、販売者も同じく「いこま」です。

     

「気仙沼港町弁当」と書かれているように、気仙沼で水揚げされる食材が豊富に使用されています。中央に見えるのがメインであるメカジキのハモニカ煮。

     

ハモニカ煮は見た目こそボリューム満点ですが、殆どが骨。斜めに見えている骨と骨の間に挟まっているのがハモニカ肉ということになります。たとえて言うなら、スペアリブみたいなもの。もちろんトロける美味さであることは間違いありません。

     

フカヒレに覆われたフカヒレ焼売、シャーク立田揚げ、海鮮炊き込みご飯の上にはウニとカニが載っています。帆立やシシトウ、野菜の煮物は素朴な味がします。酢の物もサッパリといただけます。

     

気になるデザートは、御菓子司いさみやの「ハマナスだんご」。笹にくるまれた草餅の中にトロリとしたゴマだれが入っていました。フルーツは葡萄でしたが、季節によって変わるようです。

     

下は2009年5月9日、気仙沼駅で購入した「黄金龍のさんま飯」580円。画像で背後に見えるのは気仙沼駅に停車中の「こがねふかひれ号」。キハ58、28から改造したというキハ59、29という形式のようです。車内装備がピカイチという評判もあり、次にはぜひ乗車してみたいです。

     

このタレの照り具合はそれだけで美味しさが伝わってくるというものです。彩りのために添えられたと思われるシシトウの緑が映えています。

     

ご飯の上に甘酢のガリを敷きつめ、その上に秋刀魚の立田揚げが3切れ。案外肉厚です。その上に蒲焼き用のどろっとしたタレが塗られています。立田揚げとしたことで秋刀魚の小骨が気にならず、いくらでも入ってしまう感じ。ワンコイン500円という価格も嬉しいです。文句なく花マルが付けられるお弁当です。

     

これら3種のドラゴン駅弁。「纜弁当」と共に午前10時頃には気仙沼駅のキヨスク(0226−22−5370)に並ぶそうです。私が訪れた土曜日の正午過ぎには何一つ残っていませんでしたので、確実に手に入れたいなら予約がオススメです。なお、「黄金龍の海めし」は土日限定ですが、予約すれば平日でも作ってくれるかも知れないとのことでした。また、500円台の2種はミニサイズですし、「海めし」のハモニカ煮もそのままの大きさと形で骨として残りますので、ボリュームは今一つ。大人の男性なら3食同時に食べることも可能でしょう。

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