九州横断駅弁行〜その2〜

2008年8月29日から31日まで、九州を旅しました。30日は博多を早朝に出発して長崎、佐世保を経由した後、早岐駅にやってきました。その昔に「あなごめし」を賞味した早岐駅。それから32年の歳月が流れ、今回、5度目の正直で「幻」の駅弁をやっと手に入れることが出来ました。

      

最初にアタックしたのは2005年2月。ところが2004年12月より作っておらず、2005年5月以降に販売再開予定ということで空振り。次は2006年12月。訪れようとした日が日曜日で、それは定休日ということでしたので断念。そして、3回目は2007年12月。年末の多忙期で、作れないと回答されました。さらに4回目は2008年2月。この時も日曜日しか自分の予定が組めず、定休日を確認して断念しました。そして、5回目の今回2008年8月にも、電話口の若い方に「夏はお休みしています。冬に再開します。」と一度は断られました。私としても無理を通すつもりは毛頭ありませんでしたし、断られることにも慣れていましたので、「残念ですね。わかりました。またいつか冬にでも、6回目のチャレンジをします。」と告げて電話を切ろうとしたところ、「そんなにお断りしているのですか。ちょっとお待ち下さい。」と言われ、電話を替わった年配の方に何度も断られた私のことを思い出して貰えたようで、「九州駅弁」サイト(九州鉄道営業会)でこの駅弁の存在を知ってから足かけ4年、ついに予約を受けていただくことに成功したのです。

      

当初、シーサイドライナーの停車時間7分の間に改札口前で受け取ることになっていましたが、日程をやりくりして調製元の西海軒で直接受け取りました。早岐駅を出て右側、徒歩3分ぐらいで着きます。裏手の倉庫に積まれた弁当ケースや停めてあった軽トラックを見る限り、やふだんは全国チェーンのハローランチ(有)西海軒として日配給食弁当を手がけているようでした。

      

さて、2008年8月30日に購入した「阿蘭陀弁当」2100円は、ハウステンボスの開業を記念して作られたお弁当のようです。器には唐人をあしらった有田焼を使用し、食べ終わった後には小物入れとしても再利用できます。最低3日前までの予約が必要。夏季期間は大村寿司風、冬期間は九十九島産牡蠣の中華おこわをメインに、上に四季のおかずと長崎名産カラスミが載せられています。2005年の交渉時には有田焼の器だけなら1500円で販売できると言われたことがありました。

       

さっそく開けてみましょう。移動中は鞄の中に温存し、お腹を空かせてホテルに帰った夜、いよいよ晩餐として賞味します。蓋を開けるとオランダの国旗そのものの体裁をした段ボール素材の箱に、ずしりと重い有田焼容器が入っていました。

      

なるほど、白磁の陶器に描かれた「唐人」や「帆船」はどことなく旅情を感じさせます。今回の内容は長崎名物「大村寿司」風ということで、夏バージョンです。

      

椎茸、人参、胡麻。鮑などの五目寿司の上には錦糸玉子が敷かれ、酢蓮根、海老になどの他に、焼売、チーズ入りはんぺん、ウズラの卵入り梅形ちくわ、そして、スライスされた鮑もどきに、大葉に包まれた高級珍味「からすみ」。

      

そんなに豪華絢爛というほどでもなく、器にお金がかかっているという感は否めませんが、それでも器にふさわしい内容にしようと頑張っているのがよくわかります。

      

異国情緒をたっぷりと漂わせつつ、「和」の内容でしっかりと勝負するハイカラなお弁当と言えます。

      

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