下は2017年3月23日、三島駅で購入した「清流うなぎ弁当」2800円。三島駅南口駅前の楽寿園という庭園にある小浜池(湧水池です)を水源とする源兵衛川(げんべえがわ)をバックに写真を撮ってみました。この川は清流で、水中には「ミシマバイカモ」というマーガレットにも似た水中花が咲いています。また、夏には市街地にもかかわらず、ホタルが乱舞するのです。私は子どもの頃からこの川には大変親しみを覚えてきました。

    

三島の名物はうなぎです。静岡県内の浜名湖とか、愛知の一色とか、そういう養殖の産地というわけではありませんが、うなぎを生きたまま三島に持ってきて、富士山の雪解け水(伏流水)に1週間ほどさらすと、体内の泥を吐いて臭みが消え、さらに余計な脂肪分も落ちて身が引き締まります。これが三島のうなぎとなります。

    

上の画像、清流の源兵衛川をうなぎが泳いでいるように見えますか? これは「見立て」ですが、見えなくても構いません。気持ちの問題です。今はこの川にはうなぎがいないと思いますが、47年くらい前にこの川の下流で友だちとうなぎを釣ったことがありました。私にはその時の光景が見えているのかも知れません。

    

2800円という値段は十分に高価です。しかし、それだけにふっくらと香ばしい、美味しいうなぎの蒲焼きに仕上がっています。付け合わせには箱根西麓野菜でとれた箱根大根のタクアン。

    

下は2017年3月5日に三島駅で買い求めて賞味した「清流うなぎ弁当」2800円。

    

この源兵衛川は川の端に石が敷かれていて、その上を下流方向まで歩くことができます。夏は湧水の量が多くて水没してしまうこともあるので、秋から冬、春にかけて歩いてみるのもいいでしょう。

    

下は2005年5月1日に購入した「清流うな重」。4月29日から新発売となった三島駅「清流うな重」です。発売当初は1500円でした。

          

三島の鰻は富士山の雪解け水で1週間ほど泥を吐かせます。これにより、余分な脂肪も落ちて身がぎゅっと引き締まります。これを少し甘めのタレで焼き上げたのが今回の新作です。1500円と少し高めですが、三島の鰻屋(超有名な老舗は除く)で食べるのと大差がないほど美味しいです。さらにおいしくいただくには、11時、15時あたりに買いに行けば出来たてのあったかいものが味わえますよ。

     

この上ちゃんは三島で生まれ育った三島っ子です。だから、うなぎにはちょっとうるさいんです。その上ちゃんが思うに、駅弁でここまでできれば合格、と思える「うな重」です。ぜひ、新幹線で三島に3〜7分停車した際に、ふらっとホームに降り、お買い求め下さいませ。その昔、小学生の頃、富士山の湧水を源とする源兵衛川で鰻を釣って鰻屋さんに売ったことが懐かしく思い出されます。

     

下は2011年9月4日、三島駅で購入した「清流うなぎ弁当」。1350円。

     

以前は「清流うな重」と呼び、2尾入って1500円だったものが、1尾半となってより買い求めやすくなりました。うなぎの味は駅弁の中でも最高レベルだと思います。

     

三島はうなぎの蒲焼きが名物ですが、富士山の湧き水にさらして余分な泥を吐かせ、生臭さもなくなって上品に仕上がっているのが最大の特徴と言えましょう。オススメです。

     


三島名物の駅弁は他にもあります。下は2012年7月15日、この日から三島駅と沼津駅の駅弁売店で発売となった三島駅「三島宿ぶたのみそ仕込み弁当」780円。販売初日に三島駅の売店で購入。

     

私が感想をとやかく書くよりも、以下は事前に桃中軒よりメールでいただいていたこの駅弁の情報です。

コンセプト 7月15日三島フードフェスティバルに合わせ三島を自慢する弁当について三島市観光協会より打診がありました。清流うなぎ弁当もうなぎの高騰で数量制限をかけており、三島の特産を生かしアピールできる駅弁を開発することになりました。三島商工会議所が押しているブランド認定品を使うことで食を通して地元の方はもとより観光客へ三島をPRしていきます。

内容 三島商工会議所主催の三島ブランド認定になっている「恵比寿豚」を「伊豆みそ」を使った特製ダレに漬け込み、焼き上げた豚肉に特化した駅弁です。
★恵比寿豚は50年にわたり三島市佐野地区の遠藤ファームで、生産飼育されています。三島の水とこだわりのエサで育った柔らかい豚肉を使用しています。恵比寿豚の腕の部位を丁寧に特製ダレに漬け込みます。
★伊豆フェルメンテ(三島市八反畑)の「伊豆みそ」(富士箱根水系の水をつかった田舎みそ・・・白みそより熟成期間が長く料理に合います)や肉を柔らかく素材のうまみを引き出す塩麹、他調味料を配合しています。お肉を焼き上げ、ご飯の上に海苔をちらしたうえに盛り付けます。
★同じく三島ブランド認定の「農兵漬」も添えました。(山本食品 三島市御園)三島郷土民謡「富士の白雪ゃノーエー♪」で知られる「農兵節」にちなんだ逸品です。国内で収穫された野菜を糖蜜漬けにし伊豆天城産の本山葵を加えたものです。辛口のわさび漬けと対照的な甘辛の農兵漬に合うように豚肉のタレも調整しました。
★その他、付け合せ:セリ、しば漬け、グリーンピース

<パッケージデザインのコンセプト>
三島市は昨年夏より市の財産である水、緑、文化、歴史、景観などに新たに「花」を加え、市民や観光客が癒やされる「ガーデンシティ」づくりを協働で進めています。
また新しいまちづくりの3つのキーワード美しい「美しま」、魅力ある「魅しま」、味わいある「味しま」をふまえ、三島市の花である三島桜、せせらぎの模様、三島の夏祭りで披露される農兵節(農兵漬けの所以でもあります)、梯子のりがデザインされ、お弁当のメニュー紹介、三島駅周辺マップも掲載しました。

    

ということで、かなり気合いが入っている駅弁です。実際に食べてみて、タレと絡まった恵比寿豚がことのほか柔らかいと感じ、とても感心しました。近年の三島の駅弁として「おおね御膳」、「頼朝公旗揚げ」は終売となっていますし、「清流うなぎ弁当」と並ぶ三島の名物になって欲しいと思います。すでにブランドとなっている「三島馬鈴薯」など、箱根西麓三島野菜と組み合わせるともっと良いかなとも思います。

    

発ケージを見ると、2012年は源頼朝が挙兵して830年ということで、そのイベントをするらしいですが、その記念弁当でもあるようです。

    



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