昭和9年「立売販売品御案内」          トップページへ戻る

※名古屋運輸事務所管内立売営業人組合の昭和9年10月版「御案内」です。中津川、多治見、美濃太田、大府、名古屋、尾張一ノ宮、岐阜、大垣、米原、桑名、四日市の駅で何が売られていたのかがわかる貴重な資料だと思います。


※まず、表の面には各駅で売られている駅弁やその他の品物が価格とともに一覧表に記載されています。そして、裏の面では「名古屋ヲ中心トシタル名所舊蹟(旧跡)御案内」と題し、名所旧跡の紹介、各駅からの距離、交通、所要時間、運賃の案内と記事が、上の画像右側のように、路線図とともに記載されています。


※上の画像は駅弁などの販売品が紹介されている表の面です。画像の活字がつぶれていて見にくいですが、例えば大府駅では立売人が、
上辨當30銭、並辨當20銭、普通鮨20銭、お茶5銭、和酒白雪(4合)85銭、カブトビール38銭、ウヰスキー70銭、養老サイダー18銭、月姫サイダー18銭、饅頭15銭、甘栗30銭、キャラメル10銭、アンパン10銭、果物(季節モノ)時価、旅行薬(仁丹)20銭、新聞・雑誌、煙草、マッチ1銭、牛乳8銭、均質牛乳13銭、コーヒ牛乳15銭、アイスクリーム10銭、鶏卵、
を販売していたことが分かります。

※名古屋駅ではもっと種類が多くなります。駅弁は上辨當30銭、並辨當20銭、親子めし30銭、お握り辨當30銭、鰻丼50銭、洋食辨當50銭、普通鮨20銭、稲荷鮨15銭、鯖鮨10銭、サンドウヰッチ30銭と、10種類も売られていました。
飲み物はお茶のほか、キリンビール38銭、ユニオンビール38銭、生ビール10銭をはじめ、キリンレモン20銭、氷菓子5銭、きゃらぼん5銭、カルピス15銭、コーヒー・紅茶15銭など。土産物も樽詰守口漬1円、箱入味付海苔1円など、30種類以上を揃えています。さらにゆで玉子10銭、味噌汁10銭、パン10銭、チョコレート、山葵漬け、切手なども売られていました。




※駅弁について各駅を見てみましょう。

岐阜駅は上辨當、並辨當の他に、鮎壽司35銭、松茸辨當25銭が売られていました。大垣駅や多治見駅、中津川駅、四日市駅は上辨當、並辨當、普通鮨。米原駅は上辨當、並辨當、普通鮨に加えて稲荷すし15銭、鰻丼50銭、洋食辨當50銭、鮒壽し(大)1円、鮒壽し(小)70銭。美濃太田駅は上辨當、並辨當の2つ。桑名駅と尾張一ノ宮駅では駅弁は売られていなかったということがわかります。

次に、その他の販売品。

まず、土産物として尾張一ノ宮駅では柿羊羹30銭、富有柿(大)30銭など。岐阜駅では鮎粕漬5尾入り1円、鮎うるか50銭、松茸1円など。大垣駅では金蝶饅頭20銭など。米原駅は湖魚飴煮50銭、赤かぶら漬(大)70銭など。多治見駅は甘ナット10銭、かの子羊羹10銭など。中津川駅では牛蒡漬35銭など。桑名駅は時雨蛤(大)1円、白魚紅梅煮1円など。四日市駅では田毎饅頭20銭、ながもち20銭〜。美濃太田駅は落花生10銭など。

それ以外には米原駅で旅行用品種々を販売していたようです。


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