四国オトコ駅弁の旅〜その1〜

2008年7月26日から27日にかけて、2年ぶりに四国を旅しました。今回の目的は、四国らしい「豪快な駅弁」を食べること。ここで言う「豪快な駅弁」とは、見てくれや上品さ、繊細さに走るのではなく、シンプルだけれども食材をストレートに味わえ、かつボリュームもある駅弁のこと。そう、「オトコ」駅弁とでも言いましょうか。今回は黒潮洗う土佐の駅弁を中心に紹介します。

    

と言いつつ、いきなり「ごめん」なさい。。。そうなんです、まず最初に紹介する駅弁は、この「後免」駅から出発する私鉄の終着駅にあり、名前からして「オンナ」ですから。しかし、内容はなかなかどうして。。。おっとその前に、こんな列車に乗ってみましたのでこれもついでに。2008年秋には四国から完全に姿を消すと言われているキハ28、58。往年の急行形気動車です。特に学生時代は周遊券を使って全国で何度も何度もお世話になりました。これが乗り納めになるかも知れませんので、ここに記しておくことにします。

    

しかし、高知まで惜別乗車して、次に乗ったのは左下の車両。土佐くろしお鉄道阿佐線(通称ごめん・なはり線)です。この日はとても良い天気で、車窓からは太平洋がとても綺麗に見えました。

     

そして、約1時間後、終点の奈半利駅に到着。ここには2008年7月13日(道の駅では6日よりイベントで先行販売実施)より1日20個限定で毎週日曜日のみ10時から売り出される駅弁が登場したばかり。名前は「なはりながれこちゃん駅弁」。その話題の駅弁を2008年7月27日に奈半利駅で購入しました。1050円。

    

販売場所は奈半利駅1階にある物産館「無花果」で午前10時から。10個以上まとまって注文する場合は平日でも購入できるそうです。

    

奈半利駅のキャラクターは「なはりこちゃん」。高知県出身の漫画家やなせたかしさんが阿佐線各駅にそれぞれキャラクターを作りました。その一つです。この女の子の駅で売られる女の子っぽいネーミングの「なはりながれこちゃん駅弁」とはどんな駅弁なのでしょうか?

    

駅弁の内容ですが、地元では「ナガレコ(流れ子)」と呼ばれるトコブシのご飯や奈半利川のアユ甘露煮などが入っています。それなりに配置も考えられていて、見た目も綺麗な駅弁ですが、ご飯の上に鮎、トコブシ、カワエビがそのまま丸ごとドーンと置かれているところは何とも豪快ではありませんか? そして駅弁では御法度のはずの生魚、マグロのたたきも保冷剤を敷いた上に豪快にドーン! 少なくとも「ながれこちゃん駅弁」と、「駅」と「弁」の間にハートまで付けた女性的なイメージは感じられませんでした。どう考えても「オトコ」の駅弁でしょ、これ。

    

メインの「ナガレコ」ごはんですが、上に載っているナガレコのだし汁で炊いただけのご飯かなと思っていたら大間違い。ちゃんと5ミリ角ぐらいに切られたナガレコが混ざっていました。鮑のそれにも勝るとも劣らない貝の風味や磯の香りがしますし、歯応えも申し分ないです。そして殻付きナガレコ煮には肝まで入っているという良心にはあっぱれでした。

     

沿線は鄙びた雰囲気が漂っています。帰りは海側の席が確保できず、少々混み合ってもいたので、駅弁を食べるような空気はありませんでしたし、高架区間を走ることが多く、近くを見ているとあまり旅情を感じられませんが、遠くの海や山を眺めていると、やはりローカル線なのだなあと、気持ちも次第に寛いでくるのでした。ごめん・なはり線には右下のようなオープンデッキ車両もあり、今度来るときには南風を肌で感じながらこの駅弁を食べてみたいです。

     

製造者は「なはり漁師の家」。下の掛け紙を見ると、一番右に「ごめん・なはり線 駅弁 第1弾」。。。ってことは、第2弾があるということなのだと思います。そしてその第2弾とはいつからなのか? 早くも気になりだしてしまいました。

    

「あなないなすびちゃん」の穴内駅にて。駅弁に車窓はよく似合います。窓の向こうの海の左側にはうっすらと室戸岬が見えています。30年近くも前に私が運転し、レンタカーにて友達4人と室戸岬へ行ったときにも、きっとこの付近を走っていたことでしょう。その昔、安芸まで鉄道が敷かれていたことは当時も知っていましたが、まさか21世紀になってから新たに線路が敷かれるとは、その時は夢にも思いませんでした。

    

再び高知に戻り、次は高知県の反対側の岬方面に向かうことにしました。

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