紀州・記念弁当の旅 〜その1〜

2009年8月23日から24日にかけて、紀勢本線全通50周年に沸く紀州を旅しました。半年ぶりの訪問となります。今回は紀勢本線全通50周年記念弁当の陰で忘れられがちな子ども向けの車内弁当からご紹介することにしましょう。

     

JR西日本では2009年4月より9月末まで、その前年9月に誕生した双子パンダ「梅浜」「永浜」など、7頭のパンダがいる白浜の「アドベンチャーワールド」に行く企画きっぷ「白浜パンダきっぷ」を発売しました。それに合わせて子ども用の車内弁当「パンダ弁当」500円が特急「くろしお」「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」と和歌山駅(和歌山水了軒)、御坊駅(御坊あしべ)、紀伊勝浦駅・新宮駅(丸新)で売られています。なお、パンダの顔の形をした容器は共通ですが、各社の弁当内容は微妙に異なっています。

                                            

     

上は2009年8月23日、紀勢線の車内販売を扱う天鉄トラベルサービス(06-6779-5601)を通じて予約し、和歌山駅で積み込んで「スーパーくろしお」9号の指定席まで届けてもらった「パンダ弁当」(和歌山水了軒)。500円。

     

チキンライスに海老チャーハン。洋食と中華という珍しい組み合わせです。海老フライ、鶏の唐揚げ、ウインナー、たらこスパゲティ、そしてデザートとしてピーチムースが入っています。お買い得ですね。

     

実はこの「パンダ弁当」の容器、蓋を裏返すと「熊」の顔になっているところが笑えます。これも子どもたちを飽きさせない工夫なのでしょうか。

     

下は2009年8月23日、調製元である「御坊あしべ」に事前予約して、御坊駅ホームの駅弁売店で受け取った「パンダ弁当」(御坊あしべ)500円。この調製元の「パンダ弁当」については、天鉄トラベルサービスとの車内販売契約がない(「子安いなり寿し」などはある)ため、御坊駅で下車して購入する必要があります。ついでに紀州鉄道のレトロなディーゼルカーに乗られてはいかがでしょうか。下の気動車はキハ600形と言われ、元は大分交通耶馬渓線で走っていたものです。2009年末には廃車されるという話も出ているようですのでお早めに。

     

こちらはパンダの耳の部分にチョコレートが置かれています。ごはんは鮭フレークとわかめのふりかけ混ぜごはんですが、塩気などの味付けが絶妙です。

     

おかずは大きめの海老フライ、鶏の唐揚げ、ウインナー、ナポリタンのスパゲティ、ブロッコリー。フルーツとしてミカンとサクランボのシロップ漬け。

     

ここで「パンダ列車」について簡単にご紹介します。特急「くろしお」の7号車(6両の場合は4号車)には「パンダシート」というのが2010年3月末まで4人分設置されています。「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」にはありませんのでご注意を。

      

新大阪から乗車した特急「スーパーくろしお」4号車のサイドにも大きく「パンダ列車へようこそ」というステッカーが貼られていましたが、車内にもテーブルの裏にステッカーが全座席に貼られていました。

      

「パンダ弁当」の人気ですが、この日に3回ほど特急に乗ったわけですが、車内販売されているのは一度も見ませんでした。また、車内に持ち込んで食べている乗客も見ていませんし、駅弁売店の店頭にもありませんでした。つまり、知られていないというのが現状のようです。和歌山水了軒と丸新のものを買うのならば天鉄トラベルサービスに事前予約することをオススメします。御坊あしべのものは事前予約した上で下車せねば買えませんので「レア」です。

      

「パンダシート」と「パンダ弁当」とのショット。このパンダシートのパンダ。普通に乗客としてパンダが座っているように見えます。夜、誰もいなくなった車内で懐中電灯を当てて見たら怖そうです。

     

下は白浜駅の1番線。壁に施された装飾の様子です。半年前の2009年3月1日にはなかったような。。。昔は関西の奥座敷と言われた温泉地も、今はパンダで町おこしでしょうか。

     

                                            

「パンダ弁当」の話に戻します。下は2009年8月23日、調製元である「丸新」に事前予約して、紀伊勝浦駅の専用売店で受け取った「パンダ弁当」(丸新)500円。

     

こちらは海苔で包んだ俵オニギリ。鮭ふりかけと鰹ふりかけがまぶしてあります。おかずは海老フライ、鶏の唐揚げ、ウインナーが3社共通。さらに豚カツ、ハンバーグ、鶏の肉団子、フライドポテト、玉子焼きと、かなり豪華な内容になっています。デザートはミカンのシロップ漬け。

     

この内容で500円ならば、かなりお買い得です。実は2009年10月より「くろしお」などの車内販売が和歌山方面から白浜までになるとのウワサもあり、そうなると紀伊勝浦や新宮までの乗客サービスが低下してしまうばかりか、このお弁当も現地で予約して購入するしかなくなってしまいます。また、この「パンダ弁当」自体も2009年9月末までの販売という話もあります。

     

左下は車窓としては串本駅の近くで見られる「橋杭岩」。「向かいは大島」でしょう。右下はパンダ列車以外の座席テーブルに貼られたステッカー。

      

「パンダ弁当」を手に、車窓に広がる南紀の海です。南紀は高速道路1000円時代の影響を最小限に抑えている地区だと思います。ぜひ家族連れで南紀を鉄道で訪れるのならば、お子様にはこのお弁当を買って特急に乗車しましょう。

      

紀勢本線が2009年7月15日で全通50周年を迎え、JR西日本だけでなく、JR東海でもいろいろなキャンペーンを繰り広げています。ぜひこの機会に、パンダを見に、パンダシートに座って、パンダ弁当を食べる。子どもだけの楽しみではなく、大人も十分に楽しめるはずです。

     

                                            

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