安来ドジョウ駅弁の旅〜その1〜

2008年7月24日(土用の丑の日)、ドジョウすくいの安来節で有名な安来駅(山陰本線・島根県)に駅弁が誕生しました。その昔、金沢駅には「どじょう蒲焼弁当」というのがありましたが、なくなってから30年は経っていると思われます。今回、ドジョウの聖地とも言える安来でドジョウ駅弁の販売が始まったことは歓迎すべきこと。さっそく販売開始3日目の2008年7月26日、現地に急行しました。

     

この駅弁は安来市内にある「鷺の湯温泉」の健康増進施設「夢ランドしらさぎ」の若手料理人2人が考案したとか。最初にこのニュースが入ってきたのは2008年6月のこと。販売予定の駅弁は「味付けご飯にドジョウのかば焼きやそぼろ、だし巻きなどを盛りつけた弁当と、から揚げやそぼろなどをおむすびにした弁当」の2種だということでした。それをあと1ヶ月に迫った7月24日(土用の丑の日)までに駅弁名や価格を決めて、JR安来駅隣の観光交流プラザなどで販売するということでしたので、果たして間に合うのかなと、私も気が気ではありませんでした。普通、町おこしの駅弁開発には少なくとも半年くらいかかるというのが今までの前例だったと記憶していたからです。

    

しかし、さすがに期限までにきっちりと決めてきました。それだけ地域の方々の思いが強かったのでしょう。その弁当とは「男のどじょう弁当安来武士」1200円と、「安来節どじょっ娘弁当」1000円。

    

駅構内の「観光交流プラザ」で毎週金、土、日に10時頃から13時まで、15個限定で販売され、売り切れ次第に終了とのことです。販売ブースは改札口のすぐ横の目立つ場所にありました。「どじょう駅弁」の幟もブース横だけでなく、駅入口にも立てられ、その力の入れ方がわかります。発売開始当日にはホームで立売も行ったとか。

     

2008年7月24日発売初日は25分で完売、私が訪れた7月26日も20分で完売し、販売開始30分前から駅構内にはこの駅弁を買い求めに来たと思われる人たちが何人か見られました。好調なスタートを切ったと言えましょう。

    

では、人気抜群のドジョウ駅弁を岡山行き「特急やくも」に乗車して、さっそく賞味します。まずは「男のどじょう弁当安来武士」1200円。ネーミングの「安来武士」はもちろん「安来節」をもじったものですが、駅には「安来武士」のポスターがたくさん貼ってあって、どうやらキャンペーンをしているみたい。戦国時代の武士の鑑、「山陰の麒麟児」こと山中鹿之助をイメージしているのでしょうか。その鼻あてに一文銭があるのが「どじょうすくい」のいでたちらしくて、思わず笑ってしまいます。

    

田舎の素朴さをイメージしてか、竹籠の容器を使用しています。その中にどじょうの蒲焼き、そぼろがメインとして個性を主張。蒲焼きは精力が付きそうです。ドジョウ1匹でウナギ1匹分の精力が付くというのは本当でしょうか。

    

炊き込みご飯の上に敷きつめられたそぼろはカツオでんぶに似た味わいと食感がありました。カルシウムをばっちり摂れそうです。だし巻き玉子の中にもドジョウが入っています。1食分につき泥鰌は6匹使用とか。ガツガツと男らしく食べられる駅弁です。掛け紙のキャラクターは「あらえっさっさ〜♪」の安来節でお馴染み、安来市のマスコット「あらエッサくん」。

    

続いて「安来節どじょっ娘弁当」1000円。こちらは女性向きの駅弁でしょうか。コンパクトにまとまって、手軽につまめるお弁当となっているようです。

    

こちらは八角形の編み籠。絶妙に味付けされた天むすがメインです。軍艦巻きにはドジョウそぼろ。錦糸玉子の下にもそぼろが敷きつめられています。

    

ドジョウを芯にしただし巻き玉子も入っています。カラッと揚がった唐揚げが特にうまい。全体的に見た感じは油っこいですが、実際にはくどくなく、美味しくいただけます。酒の肴としてもいけそうですね。

    

駅構内の「観光交流プラザ」には観光案内所の他、安来の特産品が売られているコーナーやカフェコーナーもあり、「すくい小僧」もいました。

     

安来節演芸館の関係で同時に売り出された2品、ドジョウのフライときんぴらゴボウを米粉パンで挟んだ「どじょっこドッグ」230円、柳川風だし巻き、ドジョウふりかけなどのドジョウ尽くし9マス弁当である「安来の踊り子弁当」1200円は11時からの販売なので、今回は諦めました。

    

このドジョウ駅弁がくれぐれも一時的な話題作りとして終わってしまうのではなく、末永く続いて名物となり、全国からたくさんの観光客を呼び込めるようになってもらいたいものです。

    

下は2011年2月19日、安来駅で購入した「男のどじょう弁当安来武士」1200円。2年経ってもしっかり売られていました。嬉しいことです。このまま定着して欲しいですね。

    

この日は日本庭園でも有名な足立美術館と、隣の安来節演芸館にも行ってきました。

     

下は2008年10月4日、砂丘の白兎さんのお友達さんが安来駅で購入した「どじょっこドッグ」230円。貴重な画像どうもありがとうございました。以下はコメントです。

「230円で購入。製造者は「大新東株式会社 安来節演芸館」になっています。弁当と同じ場所で売っていたので、弁当製造の「夢ランドしらさぎ」に販売委託しているようです。 ホットドッグ用コッペパンに泥鰌フライが2本入っており、サクサクしていて甘辛い金平牛蒡とベストマッチ!! これはオススメです(^-^)」

    

  トップページに戻る 中国の駅弁リストに戻る 駅弁行脚インデックスに戻る


  さらにこの旅を続ける