島根だんだん駅弁旅 〜その3〜

出雲市から松江に向かう途中、宍道駅から中国山地を貫く木次線が分かれています。2006年秋にここを通過した日、ちょうと゜「木次線開業90周年記念リバイバル急行ちどり」が運転されていましたが、木次線を訪れることはできませんでした。今回も全線乗車は無理ですが、イベント列車にも乗って、奧出雲の雰囲気を味わいたいと思います。

    

2007年8月1日午前9時45分頃、木次駅キヨスクを覗いたところ無かったので店員に聞きました。すると、完全予約制だと言われたため調製元の「おくい0854−42−0337」に電話しました。そして、その日の正午前に受け取れるよう予約して購入した、おかずなし「焼さばずし」800円。ご主人さんのお話しによると、30分前の予約でも大丈夫ということでした。

   

これはバラ寿司の中に焼きさばが加わって、その上に錦糸玉子が敷き詰められている伝統的な弁当。空弁の焼きさばずしが流行るずっと前からあった、元祖と言ってもよいような、そんな素晴らしい弁当だと思います。

   

昨年(2006年)よりキヨスクから依頼があった時に木次駅で売られているとか。おかず付き850円、バラ寿司のみのノーマルバージョンは800円で、現在では予約注文のみの販売。

   

錦糸玉子をどかしてみると、焼き鯖はもちろん、カマボコ、椎茸、木の芽、竹の子、焼き海苔が隠れていました。おかずはしそ昆布、奈良漬け、さくら漬けのみで、バラ寿司ばかりの単調な味と思いきや、まったく飽きません。むしろ、木の芽(山椒)の香りが食欲をそそります。私は5分とたたず完食してしまいました。味についても、とにかく感動しました。超オススメです。奥出雲おろち号に乗車する方は、ぜひ事前に予約注文して乗り換え時に受け取ってみてください。

   

下は2006年10月7日、砂丘の白兎さんの友人が購入したおかず付き「焼さばずし」850円。

   

木次駅物産品特設売店にて10個程限定で販売されていたのを、同行した友人が購入。
以下、友人からのメール本文。

「焼さばずし」ということなので、パッケージを開けるまでは最近流行りの焼さばずしの形をイメージしていました。(というか、「焼さばずし」というものはあの形しかないと思い込んでいた・・・) なので、初めて見たときは「えっ!?」状態になりました。でも、ちゃんとほぐされた「焼さば」がちらし寿司の中に入って(木次での「焼さばずし」はこれを指すようです)おり、素朴なお味でした。今回の『ちどり』の旅にはこの素朴さがマッチしており良かったと思います。」

   

さて、話を戻しましょう。木次駅からはトロッコ列車である「奧出雲おろち号」に乗車します。木次駅2番線ホームに入線してきました。

   

余談となりますが、三刀屋で所用を終えようとしていた時、いきなり携帯電話の液晶が死んでしまいました。待ち受け画面も表示されず、ボタンも利かず、まさに「壊れた」状態でした。しかも、タクシーで木次駅に戻る際、車内(助手席の横)にその携帯電話を落としてしまいました。そのことに駅で気づき、乗車してきたタクシー会社「三刀屋タクシー」に電話しましたが、見つからないということでした。しかし、壊れた携帯とは言え、個人情報が入っていますので諦めきれず、たまたま駅に停車中の関連会社、木次タクシーに乗り込み、もう一度乗車した場所まで戻って探しました。でも、ないことを確認してむなしく駅に戻るだけ、という結果となりました。連れは先に行き、木次駅にひとり取り残された形となり、タクシー会社の指示に従って公衆電話から自分の携帯に電話したところ、やはり鳴らないと言われ(あとでわかりましたが電波の悪いところを走っていたようです。)、もうどうしようもなくて、さすがに諦めて次の列車を待つことにしました。しかし、せめて最後のお別れをしようと、もう一度公衆電話からかけて自分へのメッセージを入れたところ、5分後、木次タクシーの運転手が駅に戻ってきてくれて、どうやら見つかったらしい、と興奮して伝えてくれました。さらに10分後、今度は携帯を落としたはずの三刀屋タクシーが駅まで来てくれました。事情を聞くと、私の携帯が鳴ったので、くまなく車内を探したところ、座席と内壁のわかりにくい場所にはまり込んでいたのをやっと発見したということで、届けてくれたのです。私たちを降ろしてすぐ、出雲空港まで次の客を小一時間も乗せて行き、その帰りに私の携帯が鳴ったので、私が次の列車に間に合うよう、客を拾わずに急いで木次駅まで来てくれたということでした。こうして約2時間ぶりに携帯を手にすると、液晶が死んでボタンも作動しない壊れたはずの携帯が生き返っていました。まさに奇跡でした。
振り返って考えるに、本当に三刀屋タクシーと木次タクシーにはお世話になりました。感謝に堪えません。現地でも何度もお礼を言いましたが、あらためてこの場をお借りして、心から「だんだん(島根の方言で「ありがとう」)」と申し上げたいと思います。


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