祝「韮山反射炉」世界文化遺産登録

2015年7月5日夜、ドイツのボンで6月28日から開催中の第39回世界遺産委員会において、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」が世界文化遺産に登録されました。私の地元にある韮山反射炉は日本で実際に大砲を鋳造した実用炉としては唯一完全な形で現存するという国の史跡です。欧米列強に対抗するため、江川太郎左衛門英龍(坦庵公)らの主導により江戸幕府直営で建造された鉄製大砲鋳造のための炉で、1857年に完成しました。

   

そして、2015年7月27日より、桃中軒「世界遺産登録記念韮山反射炉弁当」1000円が三島駅と沼津駅で販売開始されました。

   

上と下は2015年8月8日、三島駅で予約購入した「世界遺産登録記念韮山反射炉弁当」1000円。朝9時半と午後2時半の2回、数個搬入されるのみです。購入には予約をおすすめします。

   

お品書きは、野菜の煮〆・豚肉のチーズ巻き大砲見立て・JA伊豆の国椎茸焼き・祝世界遺産登録玉子焼き・うぐいす豆・海老の天ぷら・ミートローフ磯辺揚げ煉瓦仕立て・伊豆のイチゴジャムゼリー・山菜の煮物、香の物・黒米ご飯・鶏の照り焼き・内浦真鯛の山葵味噌焼き・鶏そぼろ炊き込みご飯です。

   

左下は反射炉の形の焼き印が入った玉子焼き、右下は大砲に見立てた豚肉のチーズ巻きです。

    

下のエビ天ぷらとミートローフ磯辺揚げも反射炉を意識しています。

   

下の画像は実は韮山反射炉の最寄り駅である伊豆長岡駅と、そこから無料シャトルバスで反射炉や江川邸を結んで立ち寄る韮山駅。どちらも世界遺産になったことで盛り上がっています。

    

左下は江川邸。江川太郎左衛門英龍(坦庵公)の邸宅で、昔は韮山県というのがあり、神奈川や東京もその管轄地だったことがあります。右下は韮山高校にある坦庵公胸像。静岡県下で最古の歴史を持つ韮山高校は坦庵公を学祖と仰いでいます。

    

坦庵公は日本で一番最初にパンを焼いたことから、「パン祖」とも呼ばれています。また、「富士の白雪ゃノーエ」でお馴染み「農兵節」の農兵を組織したことでも有名で、「回れ右」「右向け右」など、今でも普通に使用しているかけ声も、軍隊用語としてこの地で生み出され、日本軍に引き継がれたのです。

   

反射炉で作られた大砲は江戸のお台場に据えられるためのものでした。お台場と言えばフジテレビがあるところでも知られていますが、2015年現在の社長は韮山高校出身者。お台場には韮山小学校の児童などが植樹したり、中学や高校の遠足場所にもされていたりと、それなりに縁が深い土地のようです。

   

「世界遺産登録記念韮山反射炉弁当」は三島駅と沼津駅の駅弁ですが、できれば伊豆箱根鉄道でも買えるといいなあと思います。伊豆箱根鉄道の電車には記念ヘッドマークもつけられています。

    

今回世界遺産となった「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」の構成施設は九州や山口が中心で、この韮山と釜石だけが離れています。しかし、韮山反射炉に関しては首都圏から近いので、観光での集客が期待されています。

   

下は記念弁当のパッケージです。


   

この記念弁当にはお品書きを含むパンフレットが添えられていました。

   

裏は観光マップとなっています。近くには源頼朝が流された蛭ケ小島もあり、北条早雲の韮山城跡、山木遺跡、国宝のある願成就院など、見どころがいっぱい。冬から春にかけてはイチゴ狩りも楽しめます。そして、伊豆長岡温泉まではクルマで10分、その伊豆長岡温泉では9月1日より3000円で4000円分の買い物ができる「満喫券」なるものも販売するようで、韮山反射炉の世界遺産登録を地域おこしにつなげようと必死です。

   

ぜひ、伊豆の韮山反射炉へ日帰りではなく、できればお泊まりの旅行でお越しください。

   

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