伊豆縦貫駅弁行脚〜その4・終〜

2008年2月24日。伊豆急下田駅から河津駅、さらに天城越えをして伊豆箱根鉄道修善寺駅に抜け、さらに北上して伊豆長岡駅にやってまいりました。この旅の最後はあまり知られていない、しかし実力派の巻き寿司駅弁をご紹介しましょう。

     

2008年2月24日、伊豆長岡駅で無予約購入した「若舎人太巻寿司」。1100円。ずしりと重いです。

    

売られているのは改札内外両面対応の売店です。1日に置かれるのが朝に3個程度なため、早ければ午前10時には売り切れていることがあります。2008年現在では売り切れ後の補充はありません。

    

4年ぶりに購入しましたが、その間に何度かトライしてその都度フラれてきたということもあり、この日は10時に訪問したところ、すでに最後の1本となっていて、幸運にも入手できました。確実に購入するならば予約(だるま寿し055−948−0818)が無難でしょう。

※なお、この「伊豆縦貫駅弁行脚」では伊豆長岡駅の訪問が最後となっていますが、それは旅を再構成した結果であり、実は伊豆長岡駅を最初に訪れ、ほぼ逆の動き方をしていますのでご了承願います。


    

ここで2003年に購入した時の様子を紹介しましょう。下は2003年9月13日購入の「若舎人太巻寿司」。 修善寺駅ほど認知されていませんが、伊豆長岡駅にも寿司弁当があります。だるま寿しで作っている、「若舎人(わかとねり)太巻寿司」がそうです。ちゃんと駅構内で売られていますし、観光地を走る私鉄の駅でもありますし、そういう意味で、私は駅弁と認定しても良いのではと考え、掲載することにしました。期待通りのおいしさで、とてもボリュームがありました。

         

2004年2月7日には下のようなこんな感じで売られていました。改札横の売店。ホームからも買えます。2004年3月14日に購入しようとしたときには午前11時の時点で売り切れていましたが、その場合でも電話してくれ、30分ほどで持ってきてくれます(2008年時点ではこのサービスはなし)。

         

再び2008年2月24日の話に戻します。この寿司で驚くのは、まずカッパ巻きが1本丸ごと巻寿司の芯になっているということです。そして、プリプリのエビをはじめ、椎茸煮、かんぴょう煮、玉子焼きが切れることなく芯に加わっています。具とシャリの境界には桜でんぶが敷かれています。下の画像を見てわかるように、かなり具が多いですが、素材ごとに味付けも食感も微妙に違うので、一気に食べてもそれほど飽きません。但し、ボリュームは相当あります。一人で食べるには大変でしょうから、家族や仲間内で楽しく食べることをオススメします。

    

この寿司はもともと伊豆長岡の一店一品運動の際に誕生した太巻き寿司だそうです。「若舎人(わかとねり)」とは伊豆長岡温泉・北江間(大北)横穴群から昭和53(1978)年に出土した、7〜8世紀頃の石櫃に書かれていた名前のこと。葬られている人の名が書かれているのは全国初の例だと言うことで、現在その石櫃は国の重要文化財となっています。ちなみに「舎人」とは、天皇や皇族に近侍して護衛の任に当たる下級官人のことで、「若舎人」は皇太子・皇子宮に仕えた身分であろうと言われています。そんな由来に思いを馳せながら、この巻寿司を伊豆箱根鉄道や特急「踊り子」の車内でぜひぜひ頬張ってみてください。

    

私の地元「伊豆縦貫駅弁行脚」に最後まで付き合ってくださり、どうもありがとうございました。これらの駅弁を食べに、ぜひ奥伊豆へいらっしゃってくださいね。


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